まなびカフェ「手話講座」に参加して
私は、人と直接コミュニケーションをとって、相手の気持ちや意見を理解する事や、自分のそれを相手に伝えることが好きです。
だれとでも意思疎通できるようになりたいと思い、今様々な言語を勉強しています。そんな私が、指文字や手話を勉強したいと思ったきっかけは、高校時代の朝の通学時間、毎日同じ電車に乗っていた、ろう学校に通う耳の不自由な学生さんたちでした。彼らは、いつも指文字や手話で笑いながら楽しそうに話していました。最初は彼らの会話をなんとなく見ていたのですが、手を素早く動かして楽しそうに話しているのを見ていると、自分もその輪に入りたい、彼らに話しかけたいと感じ手話を勉強しようと思うようになりました。そんな私に、らいとぴあで働く姉が、まなびカフェ「手話講座」を勧めてくれたので、参加することに決めました。
講師は吉田花奈さんと福田メルヴェさんで、まずそれぞれの自己紹介と手話に対する考えを話してくれました。
吉田さんのご両親は耳が不自由で、小さいときから手話を使ってコミュニケーションをとっていたそうです。最初は他の友達の両親と違うことにとまどいを感じていたけれど、今は手話が使えることや、自分の環境に誇りを持っているという話を聞けて嬉しくなりました。吉田さんは手話とは何か、耳が不自由であるとはどういうことかについて教えてくれました。
その後、手話・指文字を使った自己紹介の仕方を中心に学びました。
講師の先生は参加者一人ひとりの名前を、指文字でどう表すかを教えてくださいました。ここで最も驚いたのは、苗字の表し方です。例えば山本さんなら“山”と“本”の手話で、さらに佐藤さんであれば“砂糖”を意味する手話で表せるというのが面白かったです。挨拶では、“おはよう”は日が昇る様子を、“こんにちは”は時計が12時を指す様子を表すなど、手話や指文字にはその動きの意味や形の起源があり、私たちが無意識に行っているジェスチャーによく似ていると思いました。手話を学ぼうと思った当初、言語と同じで、量が膨大すぎてどこから始めればいいのかと悩んでいましたが、手話は想像していたよりも覚えやすいと感じました。
最後に、「僕が君の耳になる」という短いドラマを鑑賞しました。
このドラマは耳が不自由な女性と男性の実話をもとにしたドラマで、耳が不自由であることによってぶつかる壁や周りの環境の違いとともに、周りで彼らを支える人がいればそれらの困難は乗り越えられるということ、支えるために私たちには何ができるかを教えてくれました。このドラマをこれから是非多くの人に観てほしいと思いました。
私がこの講座を受けて最も印象に残ったのは、“耳が不自由な方は、耳が不自由であること以外は私たちと何も変わらない”、
“手話の挨拶と自己紹介だけしか知らなくても話しかけていい”という吉田さんの言葉でした。私たちは、やはり耳が不自由な方を目の前にしてもどう接したらいいのかわからないと思ったり、手話や指文字がわからないからコミュニケーションをとれないと思ってしまっていると感じます。私も実際、手話を完璧に覚えていないからという理由で、電車で見かけたろう学校の高校生たちに話しかけられませんでした。吉田さんの「挨拶だけでも手話でしてくれたらとても嬉しいし、口話や筆談を使って話せるからどんどん話しかけてほしい」という言葉を聞いて、私たちが手話や指文字を学ぶことで耳の不自由な方ともっとコミュニケーションをとって関係を深められると感じました。また、手話を知ることは私たちが無意識に作ってしまっている心の壁を取り除き、距離を近づけてくれるものであると考えました。このまなびカフェに参加して、もっと手話を勉強したいと思うと同時に、ろうの方に対する自分の考え方を見直し、これからどうしたらよいのかを考える有意義な時間を過ごせました。ありがとうございました。
文・まなびカフェブロガー いふぁちゃんさん
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