<報告>10月15日まなびカフェ「さとおやってなあに?~社会的養護と里親制度、里親さんの体験談+相談会~」を開催しました。

10月15日(木曜日)18:30~20:00 まなびカフェ
「さとおやってなあに?~社会的養護と里親制度、里親さんの体験談+相談会~」
ゲスト:野口恭佑さん(児童養護施設松柏学園 里親支援専門相談員)
    里親の方

実はわたくし、週末里親を始めて4年目、今年6年生になる男の子の里親をしていますが、

これまで他の里親さんの話をあまり聞いたことがなかったので今回参加させていただきました。


相談員の野口さんより里親制度について

日本にはさまざまな事情で家族と暮らすことがでない子ども、

約45000人が保護されています。

安心、安全な生活と安定した大人との関係を築ける場所として

0歳から18歳(場合によっては20歳まで)の子どもが

児童養護施設や里親家庭などで生活し支援を受けています。


施設では子どもたちが集団で生活をしていますが、

一般家庭での生活の中で自然と身につける習慣や経験、環境までは補うことはできません。

そこでその差を解消するためにあるのが、一般家庭が受け入れて育てる里親制度です。


里親にはいくつか種類があります。

・養育里親:大阪府でははぐくみホームと呼ばれ、養育が必要な期間(数日~数年間)支援します。

・週末里親:週末~長期休みの間、施設児童を受け入れます。

・養子縁組里親:特別養子縁組として親子関係を結びます。


海外では里親への委託割合は50%以上の国が多いそうですが、日本では約20%ほどです。

里親になるための資格や、年齢や収入、家族構成などに必要な条件はありません。

里親になったあとも、不安や疑問があったときは施設の方々が相談相手となってくれます。

子どもは自分を見続けてくれる里親と出会えることを待っています。


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里親実体験

里親を始めたのは、ご自身が大病を患った時に支援してくれた方々に影響を受けたのがきっかけで、

ご夫婦と7歳の長男の3人家族に週末里親として3歳の男の子M君を迎え入れました。

開始当時や、養育里親として一緒に生活することになったときなど、

生活環境が大きく変わったときは不安行動が大きくなり、自己肯定感も持てず、

落ち着かなかった時期もあったが、一緒に暮らすことで感情が豊かになっていき、

将来の夢や目標を持つようになって、今では志望校に合格して今年から高校1年生になりました。

M君の成長と共に家族も成長していけたとのことでした。


私も当時を振り返りながら話を聞かせてもらいました。

特にテレビについて施設は集団生活のためチャンネル権があまりないので、

うちに来るとテレビを独占できるのでリモコンを離さない。というのは里親あるあるなのだなと思いました。


質疑応答があり、我が家に来る子は自己表現をあまりしない。と相談させてもらったところ、

施設の子どもたちは今の環境や里親との関係性が壊れるのをすごく恐れるので、

本来の自分を見せないように萎縮する傾向にある。と教えてもらいました。

すると、参加者の中の里親経験者さんから成長するにあたって

多くの人と出会っていくことで人間関係が良くなっていく。と話してくれました。

私たちが何気なく接しているつもりでも、

施設の子どもにとっては高いハードルがそびえているのだなと思いました。


今日の様に、実際に社会的養護についての話を聞く機会がもっと増えて、

里親という制度がもっと身近に感じられるようになれば良いと思います。


文・まなびカフェブロガー MAさん



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