2019年11月7日18:30〜20:30まなびカフェ
「キベラスラムから命の響き~アフリカトーク&ミニライブ」
ゲスト:大西匡哉さん(ドゥルマ民族伝統音楽継承者)
早川千晶さん(マゴソスクール主宰)
〜キベラスラムとドラムと私〜
11月の寒空の下、自転車を飛ばしてらいとぴあに到着するとリズミカルな音楽と
力強く軽やかな太鼓の音、そして楽しげな歌声が聞こえてくる。
最初の印象としては、ある種のステレオタイプ(※1)通りの
「アフリカ」のイメージがそこで作られていると感じ、少し面食らってしまった。
しかしそう言いながらも太鼓とギターと歌声を聴くにつれて肝どんどん(※2)している自分がいた。
ほかの参加者も各々の時間を楽しんでいるように見えた。
しばらくしてから、早川さんの語りが始まった。
満洲で育ったご両親、バブル期の日本社会を生きる中で感じた違和感、
ケニアのキベラスラムで目の当たりにした不平等、それらの点と点が繋がり
私の頭の中では中島みゆきの「糸」が流れていた。
どのように一生を生きる/生ききるかということ。
ただ「楽しく陽気でハッピーなアフリカの音楽」を演奏しているのではなく、
色々とつらいことがあっても乗り越えていくために、できれば楽しいリズムに乗せて。
そういった心意気をふんわり感じた。
ここからは少し私自身の活動にひきつけて考えたことを書いてみたい。
私は沖縄関係のイベントを多数企画運営してきたが、例えば社会問題や不平等・差別をテーマに扱う時には
特定の人にだけでなく広く来てもらうために集客に特に力を入れるようにしている。
芸能だけでも社会問題だけでもあまり人々の認識を変える力は無いと感じている。
その意味で、今回のイベントでお二人が意図していたことは演奏で人を惹きつけつつ、
伝えたいメッセージもしっかり発信するという、その両輪を保つということではないかと思った。
その絶妙な塩梅(※3)が、とても参考になった。
ちなみに、私は今回のワークショップがケニアに関連していると聞いて、
ちょうどギクユ語を学びたいと思っていたので、もしかするとお二人が誰かしらギクユ語話者と
繋がりがあるかもと思いイベントに参加してみた。
ワークショップ終了後にお二人に話してみると、やはりギクユ語話者と繋がりがあるとのこと!
また、僕がそのギクユ語を使用して手紙を書きたいケニアの作家であるグギワジオンゴさんの親友とも
繋がりがあると知り、人のつながりの面白さ、縁と運とタイミングやなーと改めて強く実感させられた経験だった。
(イベント終了後3ヶ月の、今更感溢れる2020年2月29日(閏)に、雨が降るらいとぴあにて執筆。)
※1ステレオタイプ→「○○人は〜〜だ」例えば「この国の人は歌と踊りが好きで優しいよね」といった決まりきった見方を指す。もちろん知識として色々な情報を持つことは大事だけど、その人の個性や独自の考え方があることを忘れてしまうので、ステレオタイプには気をつけたいと思っている。
→アフリカのステレオタイプに関してはBinyabanga Wainainaの”How to write an Africa” という文がとても面白い。オンラインで全て読むことができるのでオススメです。
※2ちむどんどん→沖縄のことばで気持ちがワクワクすること
※3あんばい→加減・バランス
文・まなびカフェブロガー Cozy-Enrique☆dosue(こーじーえんりけ☆どす江)さん
◆らいとぴあ21「まなびカフェ」とは?
世 の中のいろいろや最近ちょっと気になることを、少人数制でアットホームにまなび、考える「まなびカフェ」。各回の素敵なゲストの話を聞いて、みんなでわい わい意見をかわすといつも見ている世界が少し違って見えるかもしれません。普段は逢えないいろんな人、いろんな世界をのぞくことで、インターネットやテレ ビ、新聞などでは味わえない生きた”まなび”を楽しむ場です。スケジュールや各回詳細はまなびカフェイベントページ(Facebook)や、らいとぴあ21のブログに掲載のチラシPDFデータをご覧ください。
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