<報告>12月25日まなびカフェ「【シネマ・カフェ vol.1】『ジェンダー・マリアージュ ~全米を揺るがした同性婚裁判~』」

20191225日(水曜日)19:0021:00まなびカフェ

【シネマ・カフェ vol.1】「ジェンダー・マリアージュ ~全米を揺るがした同性婚裁判~」


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1225日、世間的にはクリスマス。

10名弱の参加者で、1本の映画を鑑賞しました。

タイトルは、「ジェンダー・マリアージュ」。

「同性婚」がテーマです。


2010年代も終わろうとしている今でこそ、ここ日本でも同性婚裁判などの話題を聞くようになりましたが、

この映画の時代はいったん2008年までさかのぼります。

舞台はアメリカ州カリフォルニア。

実は、200811月、「州憲法修正案提案8号」が可決されるまでは同性婚が認められていたカリフォルニア州。しかし、市民投票によりこの「提案8号」が可決されると、それまで認められていた同性婚が禁止されてしまいました。

もともと認められていたのに、後から禁止になった、というのも驚きですが、

「提案8号」賛成派、つまり同性婚反対派の人権を顧みない主張に、

個人的には怒りがこみ上げてくるものもありました。

「同性婚は子どもに悪影響」「子どもを守るために、結婚制度を守ろう」。

ただ愛する人と結婚するという「あたりまえ」の権利を行使したいだけなのに、大きな壁が立ちふさがります。


原告に選ばれたのは2組の同性カップル。

原告も生半可な覚悟ではできません。

裁判で相手側に訴追される一点の穴も無いように、探偵による原告の身辺調査までおこなわれます。

また、原告チームのバックにつくのは、(某テレビ番組的に言ったら)「最強の弁護士軍団」。

かつて大統領選で腕をふるった弁護士がつくこととなり、盤石な態勢が組まれていきます。

映画では裁判のすすんでいくようすも描かれ、ストーリーの大きな柱となっています。

原告側の鮮やかともいえる弁の立て方に、思わず感嘆の声が漏れてしまいます。


映画の中で印象的だったのは、カリフォルニア州では結婚に準ずる「パートナーシップ制度」はあるものの、

その2組のカップルは、そのパートナーシップを結んでいない、ということでした。

パートナーとして認められれば、結婚するのと同等の社会的な立場が保障されるということですが、

2組のカップルはあくまで「結婚」を目指します。


「結婚するというあたりまえのことが、同性同士ということだけでできないから

パートナーシップ制度を用意するというのは、同性カップルを二級市民として位置づける人権侵害だ。」


目からうろこが落ちる思いでした。

昨今、日本国内でもパートナーシップ制度を導入する自治体が増えており、

徐々に制度も認知されてきました。

もちろん、パートナーシップが社会的どういう位置づけになっているかアメリカと日本で違う、

ということもありますが、「結婚と同等の制度」ではなく、「結婚制度」を認めることに意味があり、

また、同じような話は在住外国人や障害者など、ほかのマイノリティについても存在している、

ということも気づかされました。


映画全編を見ての感想は、とにかく「裁判が長い!」ということ。

映画のラスト、最高裁判所での判決が下され、めでたく原告カップルが結婚するのは2015年。

「提案8号」が可決されてから、実に7年近くの歳月です。

「自分たちの訴えは正当なものだ」と確信しているとはいえ、

それでも心が折れるには充分な、とてつもなく長い期間だと思いました。


上映が終わってからは、参加したみなさんと自然に話も弾み、

ゆったりした空間の中で、映画の中身やジェンダーのことを話す時間になりました。


「『結婚』とは?」、「『権利』とは?」、「『ふつうの幸せ』とは?」。

改めて自分に問いかけるきっかけとなった「まなびカフェ」となりました。


文・まなびカフェブロガー ピーターさん


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世の中のいろいろや最近ちょっと気になることを、少人数制でアットホームにまなび、考える「まなびカフェ」。各回の素敵なゲストの話を聞いて、みんなでわいわい意見をかわすといつも見ている世界が少し違って見えるかもしれません。普段は逢えないいろんな人、いろんな世界をのぞくことで、インターネットやテレビ、新聞などでは味わえない生きた”まなび”を楽しむ場です。スケジュールや各回詳細はまなびカフェイベントページ(Facebook)や、らいとぴあ21のブログに掲載のチラシPDFデータをご覧ください。

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