<報告>8月9日まなびカフェ「昆虫食体験!帰ってきた!セミ祭り」

2019年8月9日(金曜日)まなびカフェ
昆虫食体験!帰ってきた!セミ祭り
ゲスト:谷口玲央奈さん(昆虫食実践者)

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「暑いですね」なんて挨拶も言い飽きたこの頃ですが、相変わらず暑いですね。
その暑さをさらに助長してくれるのが、セミの鳴き声。
夏の風物詩というべきか、悩みの種の一つというべきか。
とはいえ、子どもの頃には抜け殻も含めてたくさんハントしたであろう、みなさんおなじみの虫。
そして今回は、そのセミたちを、文字通り、いただきました!

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まずは早速セミ捕り。
谷口さんによると「場所の下見をしたところ、木によってはセミがたくさんいる」とのこと。
向かってみると……セミいました、というかもう鳴き声でわかります。
木の幹をくまなく探しますがなかなか見つけられず……

初めは「鳴き声はするのに見つからない!」ともやもやした状態が続きますが、
次第に目が慣れてくると一本の木に何匹ものセミがいることに気づきます。
ただ発見してからも、「網が届かない!」「構えた瞬間逃げられた……」と苦戦続き。

ここら辺から参加者の目が“マジ”になってきます。
鳴き声を頼りにセミを見つけ、気づかれないように網をゆっくり構え、一気に捕まえる。
久しぶりのこの感覚……まさに虫捕りの醍醐味ですね。

捕まえたセミは虫かご代わりの洗濯ネットに入れていきます。
セミを捕まえるにつれ、徐々に増していく洗濯ネットの重み。
団地横の農園や公園など場所を替えながら、捕獲数のノルマを達成できました。


捕まえたセミは2種類。
ずんぐりとした大きな黒い体が特徴のクマゼミと、全身茶色で少し小柄なアブラゼミです。
この2種類を、シンプルに油で揚げた素揚げでいただきます。

この時セミの羽の根本をトングで押さえて、熱した油の中に入れていくのですが、
油の中で動かなくなったセミを見て「あぁ食べることって命をいただくことなんだな」と改めて感じました。

僕は普段家で料理を作ることがありますが、だいたいの食料はスーパーにあって、
肉や魚は調理済みの状態で、白いパックにラップで包まれ売られていますよね。
牛も豚も鶏も魚も、「それらが生きていた」ということは何となくわかっていても、
僕たちがいつも目にするのは単なる商品。
「食べること」と「命を奪うこと」が表裏一体だということには、なかなか気づくことはありません。

しかしさっきまで元気に鳴いていたセミを捕まえ、キッチンで調理していると、
「食べること」そして「生きること」の裏でたくさんの命のやり取りがあることに気づかされます。
僕が今こうやって普通に過ごせるのも、家畜や野菜や穀物、たくさんの命があったからこそ。
もっとちゃんと生きよう、と少し身が引き締まる思いでした。

水分を完全に飛ばしきり、カラッと揚がったセミたちを皿の上に並べていきます。
さあ実食。
僕自身は昆虫を食べたことなんて一度もなかったし、
むしろ「虫なんてわざわざ食べなくても……なんかまずそうだし」とさえ思ってました。
でもその時は、不思議と「よし食べてみよう」という気持ちになれたんです。
単純な好奇心もあったのですが、調理したんだから最後まで食べなきゃという責任感もあったのかもしれません。

揚げセミにレモン塩をつけ、「いただきます」と一息に口に入れると……あ、美味しい。
殻はサクサクした食感なんですが中にフワフワとした身があります。
多めにつけたレモン塩のしょっぱさとセミの香ばしさがマッチしてます!
例えるならば、ほぼエビなんですが、エビにはない森のような香りがかすかにしました。

しかもちょうどセミのサイズが一口サイズなので、スナック感覚でパクパクいけてしまいます。
初めは見た目に圧倒されていた参加者の方も、一口食べて「美味しい!」と目を輝かせていました。
レモン塩だけでなくブラックペッパー、チリマヨソースなど色々試してみましたが、
個人的には「レモン塩+オーロラソース」がベストマッチ。
タルタルソースをかけたエビフライのような風味で、ご飯がほしくなりました。(笑)
みんなで食べていると、40匹ほどいたセミたちもいつの間にか完食してしまいました!

セミを食べながら盛り上がるのはもちろん昆虫食トーク。
「日本国内でも昆虫食を販売している会社がある」「昆虫を使ったおせち料理のレシピ本がある」などなど、
そこまで進んでいたのか昆虫食と驚きました。


僕も家に帰ってから昆虫食について調べてみると、
どうやら環境保護という意味でもメリットがあるそうな。
家畜を育てるための飼料や肉を輸送するためには莫大な燃料を消費しなければならないうえに、
牛やヤギなどの動物のゲップにはメタンなどの温室効果ガスが含まれているそうです。

一方昆虫は設備があればどこでも育てることができるし、
飼育する上での温室効果ガス排出量も家畜とは段違いに少ない。
また飼育のしやすさ、栄養の豊富さから食糧難にも対応できるという、様々な可能性を秘めているんです。
地球にも優しい昆虫食、いつかは僕たちの「当たり前」になっていくのかもしれませんね。


当日の飛び入り参加という形で今回のまなびカフェに参加しましたが、
自分では気づきもしなかった新たな扉が開いたように思います。
今回は昆虫食の中でも「食べやすい方」とされるセミをいただきましたが、
他の虫はどんな味なんだろうと興味津々です。
例えば、グラタンの中に幼虫を入れた「幼虫グラタン」なんてどうだろうと思ってみたり……。
新たな自分を見つけに、みなさんもぜひまなびカフェへ!

文・まなびカフェブロガー ガンジーさん

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次回の「まなびカフェ」はこちら
2019年8月17日(土曜日)午後1時から4時
仏師が教える彫刻ワークショップ

毎度大好評の彫刻ワークショップ!木の香りや削る感触に時間を忘れて没頭できます。講師は仏像彫刻師ですが、仏像以外でも、動物や小物など自由な題材で彫刻の作り方を教えていただけます。彫刻刀が初めてのお子さんもご参加いただけます。
※大きな材料を使う方は別途実費を頂くこともあります。
※小学生以下の方は保護者の付き添いをお願いします。

場所:らいとぴあ21 1階展示コーナー
参加費:1,000円(小学生以下500円)
定員・10名(お申込み先着順) *途中からのご参加も可能です
ゲスト:真野明日人さん(仏像彫刻師)

◆らいとぴあ21「まなびカフェ」とは?
世の中のいろいろや最近ちょっと気になることを、少人数制でアットホームにまなび、考える「まなびカフェ」。各回の素敵なゲストの話を聞いて、みんなでわいわい意見をかわすといつも見ている世界が少し違って見えるかもしれません。普段は逢えないいろんな人、いろんな世界をのぞくことで、インターネットやテレビ、新聞などでは味わえない生きた”まなび”を楽しむ場です。スケジュールや各回詳細はまなびカフェイベントページ(Facebook)や、らいとぴあ21のブログに掲載のチラシPDFデータをご覧ください。

◆これまでのまなびカフェのレポートなどはこちら(らいとぴあ21ブログ)
http://raipinews.seesaa.net/category/23991971-1.html