2019年2月1日(金曜日)18:30~20:00 まなびカフェ
ひつじがお肉になるまでinモンゴル
ゲスト:野本悠紀子さん(大阪大学大学院言語文化研究科言語社会専攻博士前期課程2年)
ひつじがお肉になるまでinモンゴル
ゲスト:野本悠紀子さん(大阪大学大学院言語文化研究科言語社会専攻博士前期課程2年)
会社の同僚の旦那さんの趣味が狩猟で、庭先に鹿がぶら下がっていると聞いて、
率直に無理!と思ったことがある。
カエルが網いっぱいにはいって家の庭先に置かれていたこともあるらしい。
想像しただけで恐怖だ。
また別の同僚は釣りが趣味で、釣ったサバをお裾分けしてもらったことがある。
サバの味噌煮に、マリネに、塩焼きにと自分でさばいておいしくいただいた。
さて、ここで疑問がわいてくる。
さて、ここで疑問がわいてくる。
なんでサバをさばくのは平気でできて、鹿だと無理!と思うのだろうか。
お肉は大好きだ。お肉になる前は生きていたという事も知っている。
でも、誰がどうやってお肉にしたのか、それは知らない。
サバのさばき方はググっても、鹿のさばき方はググったことはない。
はて、なんでなんだろうか。
疑問に思ったら勉強あるのみ。
というわけで、今回参加したまなびカフェは「ひつじがお肉になるまで inモンゴル」。
大阪大学大学院言語文化研究科に在学中の方でモンゴルの屠畜、食育などをテーマに研究をされているとのこと。
モンゴルで撮ってきた写真や動画を中心に、羊がお肉になるまでの過程や遊牧地域や都市で行われている屠畜方法を教わった。
まず屠畜(とちく)という言葉だが、恥ずかしながら初めて聞いた。
まず屠畜(とちく)という言葉だが、恥ずかしながら初めて聞いた。
人間が利用するために飼っている家畜を屠(ほふ)る(=殺す)ことらしい。
モンゴルでは二人に一人が首都のウランバトールで暮らし、四人に一人が遊牧民とのこと。
そして遊牧民は自分で育てた羊は自分たちで屠畜する。
一方都市部では近代的な機械で作業を行う工場もあれば、屠畜市場といって生きた家畜が売られており、
スーパーでお肉を買うように直接家畜を飼って、その場で屠畜してもらう場所もあるらしい。
驚いたことは遊牧民は内臓だけでなく、血までも無駄なく食べるということだ。
腸に血をつめてブラッドソーセージにするという!
屠畜された羊に無駄な所はなく、骨も犬にあげたり、おもちゃにして遊んだりと、とことん利用する。
モンゴルの人にとって屠畜は特別なものではなく、日常的な風景。
しかし、日本ではお肉を食べるのに屠畜を知る機会は少ない。
どこか別の世界といった感じである。
なぜなんだろうか。
野本さん曰く、
食文化の違いもあるだろうが、日本は仏教が伝来し、肉を食べることが禁じられるようになった。
またケガレという思想から生き物の生死に関わる仕事はケガレが多いとされていた。
そういった背景が原因の一つではないかとのこと。
また屠畜に対して「ひどい、残酷だ」といった声があがることがあるという。
しかし、屠畜とはどのように行われているがきちんと知ることなく肉を食べ、食べずに捨ててしまうことだってあるだろう。
(日本では食品ロスが高く問題となっている。食料自給率が低いのにも関わらずだ)
それなのになぜ残酷と言われるのだろうかと話されていた。
肉や魚、野菜、私達が口にするものは店頭に並ぶまで過程があり、ただ急にポンッと現れるわけではない。
そこには命があり、人の苦労があるのだ。
だが、それを知らずにそこにあるのが当たり前と思い、いらなければ捨ててしまう。
そのことの方がよほど残酷ではないか。
今回屠畜の映像をみせてもらって、普段みなれていないこともあり中々に衝撃的だったが、
でも私は毎日のように肉を食べている。
食べるという事は命をいただくということ。
だからこそ、知らない、知ろうとしないではだめなのだ。
食事をする時は「いただきます」、食べ終わったら「ごちそうさま」。
当たり前にいっているこの言葉の意味を今一度考えてみたいと思う。
文・まなびカフェブロガー かよさん
◆各ブロガーさんのプロフィールはこちら
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2019年2月23日(土曜日)午前11時から午後3時
【モンゴルひつじワークショップ!】
モンゴルのひつじをキーワードに集まった手仕事グループがお届けする企画。
手仕事をしながら、衣食住が自分たちの手の中にある遊牧民の暮らし、
それと私たちの毎日の暮らしの中にある当たり前を考えるきっかけとしませんか。
場所:らいとぴあ21 1階展示コーナー
参加費:各ブース 500~1,000円程度(子どもは300〜500円程度)
※作るものの大きさにより値段が異なります。
定員:1時間の中で4人ずつ参加できます(お申込み先着順)
ご予約の方が優先となりますが、当日も空き枠があればご参加いただけます。
一時保育:あり(できる限り、事前予約をお願い致します)
ゲスト:やまねの森さん(さをり織りワークショップ講師)
ちこらぼさん(羊毛フェルトワークショップ講師)
ひつじの惑星さん(羊毛フェルトで作るひつじのミニチュアワークショップ講師)
◆らいとぴあ21「まなびカフェ」とは?
世の中のいろいろや最近ちょっと気になることを、少人数制でアットホームにまなび、考える「まなびカフェ」。各回の素敵なゲストの話を聞いて、みんなでわいわい意見をかわすといつも見ている世界が少し違って見えるかもしれません。普段は逢えないいろんな人、いろんな世界をのぞくことで、インターネットやテレビ、新聞などでは味わえない生きた”まなび”を楽しむ場です。スケジュールや各回詳細はまなびカフェイベントページ(Facebook)や、らいとぴあ21のブログに掲載のチラシPDFデータをご覧ください。