2018年12月19日(水曜日)まなびカフェ
【プロフェッショナル】祈りをかたちにする仕事
ゲスト:真野 明日人さん(仏像彫刻師)
「仏像彫刻師」そんなお仕事もあるのか。
その名のとおり、仏像を彫刻で作る仕事だよね、というのがお話をきく前のイメージ。
けれども、お話がはじまってハタと気が付いた。
そもそも仏像ってなんだ。
話をきいてみて思った、やっぱり仏像ってなんだ、と。
意識なんかしなくても仏像といったらコレという、なんとも漠然としたイメージがあった。
つまり、仏像といったらお寺か博物館にあって、木彫りで、でっかくてぐらいのイメージしかなかった私。
が、真野さんの話を聞いて思った、なんとも奥深き世界。
安直すぎたイメージが恥ずかしい。
仏教の歴史は今から2,500年ほどさかのぼることができる。
仏像が作られたのはお釈迦様の没後で2,000年くらい前からだそう。つまり、それだけ長く仏像が作られてきた歴史がある。
もちろん日本だけではなく、インド・チベット・中国と世界で。
素材も木だけではない。石や銅など様々。
それらを紹介された写真で見比べてみると、同じお釈迦様(仏像)なのに、ずいぶんと違う姿であることに驚く。
それに、仏像自体が「祈り」の対象になるという意味で特殊だとも気が付くことができた。
真野さん自身は、学生時代には演劇、社会人でWEBデザイナーとして働いたあと、
仏師の世界へと飛び込んだ、ふり幅の大きい選択をされてきた方だ。
ご自身のこと仕事のことをきくにつけ、謙虚な方だなと思った。
何が役に立つかわからないということ、自分が役に立てるところからという姿勢、
必ずしも生活のためだけの仕事ではないというところ、
失敗と思っても木のことをおもうと彫るのをやめることは殆どない等々のエピソード。
もう一つ印象的だったのは、仏像以外の彫刻もされることだ。
仏師といったら、お釈迦様をはじめとした仏教にまつわるえらい神様を彫るものと思っていた。
けれども時には動物や、特に猫をよく彫られているとのこと。
また、彫刻教室もされている。
これらは彫刻の魅力や仏像に親しんでもらうきっかけ作りという一面を持っているそうだ。
仏像は祈りの対象になることから、芸術家とも職人とも言い難い。
かと言って、お坊さんではない仏像彫刻師(仏師)という真野さんの仕事。
そんなお仕事もあるのか。
でも、時に芸術家、時に職人であり、時にはお坊さんという色んな要素のつまったお仕事だと思う。
次に仏像に出会ったら、見方が変わっているに違いない。
誰が作ったのかな、何時代に作られたのだろう、この台座は、これは仏像だろうか、とあれこれ思うのが楽しみだ。
そうして、ここまで文章を書いてみて気が付いた。
最初に感じていた仏像ってなんだ、という疑問に私なりに答えがでていることに。
仏像とは、仏教に関係する神様や人物の像、でも、それだけではなく
誰かが手を合わせることを思ってつくられた仏様の形をしたもの、かな。
文・まなびカフェブロガー たまさん
2019年1月17日(木曜日)午後6時半から8時
「モノから見えるストーリー&つながる人・地域」
ゲスト:鈴木幸太郎さん(松島ワインプロジェクト)
尼野三絵さん (B−MART)
尼野三絵さん (B−MART)
参加費:300円(おつまみ付)
*別途、喫茶にて、100円程度からの1オーダーをお願いしております。東日本大震災後、地域のために何かできたらと故郷へ戻り、
宮城の食のセレクトショップ「M Pantry」を立ち上げた鈴木さん。
モノを通じて、その背景のストーリーや造り手の想いを大事にする中、
人とのであい・つながりが生まれ、ワインプロジェクトも始動。
箕面にある社会にいいセレクトショップ「BーMART」との対談形式でお届けします。
*松島のおつまみ付(牡蠣をプレスした牡蠣せんべい)
◆らいとぴあ21「まなびカフェ」とは?
世の中のいろいろや最近ちょっと気になることを、少人数制でアットホームにまなび、考える「まなびカフェ」。各回の素敵なゲストの話を聞いて、みんなでわいわい意見をかわすといつも見ている世界が少し違って見えるかもしれません。普段は逢えないいろんな人、いろんな世界をのぞくことで、インターネットやテレビ、新聞などでは味わえない生きた”まなび”を楽しむ場です。スケジュールや各回詳細はまなびカフェイベントページ(Facebook)や、らいとぴあ21のブログに掲載のチラシPDFデータをご覧ください。
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