「~Le Salon des Millman ちょっといかした絵のおはなし~ 西と東のいったりきたり」
ミチコ・ミルマンさん(英語通訳)
アートとか芸術は、どの国や地域にも存在するものだが、なんとなく「西洋」芸術の方が、メインという印象を持っている人は多いのではないだろうか?西洋の芸術家が‘主’で、それにならってほかの国や地域の芸術家が作品を生み出すーといったイメージ。
もちろん、日本はじめ多くの国の芸術もメインとなり得るのだが、それは、たとえば中国や韓国、日本の「陶器」、インドネシアの「影絵」みたいに、カテゴライズされていて、たんに「アート」というと、たいていは西洋を主とする表現形態を思い浮かべるように思う。
西洋が「先生」で、それ以外の地域は「生徒」と思って、いた!今回のお話を聞くまでは!

今回のまなびカフェでは、ミルマン夫妻が、日本の芸術がいかに西洋の芸術家たちに影響をあたえたかを絵やエピソードを用いてわかりやすく解説してくれた。
ゴッホが浮世絵の影響を深く受け、作品をトレースしたというエピソードは以前聞いたことがあったが、影響を受けた芸術家は彼一人に止まらなかったらしい。「睡蓮」で有名なモネも、家に日本風の庭園を造っていたというし、ゴッホと一時共同生活を送ったゴーギャンも同様に日本的な要素を自分の作品に取り入れていた。(ゴッホがゴーギャンと共に過ごした家は「イエローハウス」と呼ばれた。イエローは当時「日本」を表すとされていた)
「西洋」が先生?なんのなんの、西洋の芸術家たちは「日本」をお手本にしていた面も多くあったのだ。彼らが興味をひかれたのは、はじめは日本の装束ー着物や扇子、などであったが、次第に日本の芸術ー浮き世絵に関してはその「構図」に、大和絵からは西洋的な遠近法を用いない風景の描き方などを、革新的なものとして取り入れていった。
ご夫妻のお話しは、「西と東の行ったりきたり」のタイトル通り、芸術家たちの関心が世界を大胆に横断して互いにインスピレーションを交わし合った、、、という、これだけでも充分エキサイトする内容なのだが、さらに公演後にミルマン夫人とお話した時に言われた言葉が胸に残った。
詳しくは存じ上げないが、ミルマン夫人であるミチコさんは、人生に大きな悩みを抱えていた時に、ミルマン氏と、そして「アート」と出会ったそうである。私がイギリスで、ある絵の前で号泣した話しをしたら、同様の経験があるとおっしゃっておられた。
「アートや芸術は、特別な人だけのものではなく、すべての人のものである」と言われる背景には、ご自身がそれから力をもらってきた経験と実感があるからだと感じた。アートを自らの知肉にしているような方から直にお話を聞くことができて、本当に幸運な機会だった。
文・まなびカフェブロガー Taraさん
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2018年12月19日(水曜日)午後6時半から8時
「祈りをかたちにする仕事」
芝樂市でのワークショップも度々開催してくれている真野さんの、中々聞く機会の無い日常についてのお話を聴きに、是非足をお運びください。
参加費:無料(喫茶にて、100円程度からの1オーダーをお願いしております。)
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