2018年11月8日(木曜日)まなびカフェ
【出張!ダイバーシティカフェ】〜多様性について考えよう〜
ニュージーランド(NZ)の教育について
ゲスト:ミシェル・ギブソンさん(とどろみの森学園ALT(英語指導助手))
日本語補助&進行:鳥羽山良平さん
企画:(公財)箕面市国際交流協会
私は毎週金曜日の夜、らいとぴあ21で開かれている日本語教室「萱野にほんご」に、日本語サポートのボランティアとして参加しています。ミシェルさんも「萱野にほんご」に来られていて、どういう方なんだろう?と気になっていました。ミシェルさんのお話を聞くのを楽しみにしていました。
銀行員として働いた後にニュージーランドの幼稚園・保育園で働いていたミシェルさん。双子の息子さんは、去年大学に入学したそうです。子どもたちが楽しそうに遊んでいる写真いっぱいのスライドで、子どもたちが大好きなんだなーと伝わってきました。
今回は、ニュージーランドの教育について、幼稚園・保育園から大学まで写真を交えて紹介していただきました。
小学校に通い始める5歳までの間の、Early Childhood Education は、日本よりも多様です。大きくは、①先生が運営するもの、②Whānauが運営するもの、③親たちが運営するもの、という3つに分けられます。
①先生たちが運営するもの
先生が全員資格を持っている Kindergarden (日本の幼稚園のような感じでしょうか)だけでなく、 Education & Care Centre (日本の保育園のような感じでしょうか)と、子どもがいる家庭に先生が訪問する Home-based Care があります。
②Whānauが運営するもの
失われる危機にあるマオリ語を生かしていこうという目的で、マオリ語で教育を行います。マオリの人々だけでなく、誰でも通うことができるそうです。
③親たちが運営するもの
Playcentres (遊び場)と Playgroups (遊びグループ)があります。マオリの人々や太平洋諸島出身の人々が運営する場所もあります。
ミシェルさんが働いていたのは、①の Education & Care Centre です。箕面の止々呂美によく似た、霧の美しい自然豊かな環境の写真を見せていただきました。子どもたちのやりたい!という気持ちを大事にしていると話していました。歌でマオリ語と英語の色を覚えたり、外にあるマオリ式の小屋で遊んだりと、マオリのことばや文化も取り入れているそうです。
5歳から16歳までの義務教育、その後の高校と大学については、双子の息子さんの写真とともに紹介してくださいました。
High School (高校)では、第二言語を学びます。スペイン語・ドイツ語・フランス語の他に、日本語・中国語、マオリ語などを選ぶことができます。日本語は、最近どんどん人気が出ているそうですよ。
高校の制服は、1年生のうちは半ズボンを履かなければならないけど、学年が上がると長ズボンを履いてもよくなり、最高学年になるともう半ズボンは履かないと言っていました。面白いですね。
ニュージーランドには、大学が8つあります。ミシェルさんは教育学を専攻していました。
双子の息子さんは、それぞれ別の大学で法学と芸術学を専攻しています。
大学入試を受ける前に、高校で1〜3の Certificate (認定)に合格しなければならず、芸術学では勉強の他に実技も必要です。筆者の妹も大学の芸術学部に通っていたのですが、入試の実技試験の対策はとても大変そうでした。
質問の時間に質問者の方が、ジャレド・ダイアモンド(Jared Diamond)の「銃・病原菌・鉄(Guns, Germs, and Steel)」という本を紹介していました。実は、筆者も読んだことがあります。世界各地の人々が、どのようにそこに住むようになったのか、どのような暮らしをしてきたのかということが説明されていて、面白い本です。
植民地時代に先住民の人々が住んでいた場所や命を奪われてしまったのは、先住民の人々が怠惰だったり能力的に劣っていたりしたからではない。住んでいた環境により「銃」「病原菌」「鉄」といった戦いの中で有利に働くものを持っていなかったからなのだ、という話でした。
異なる文化を尊重することや、将来を担っていく子どもに何を教えるかというのは、明るい未来のために重要です。
ミシェルさんのつけていた、くるくるの形のステキなネックレスは、マオリのモチーフのものでした。また、お話の全体を通して、”Whānau” や “Kai” など、マオリ語の単語も出てきて、マオリ語や文化が取り入れられているんだな、と感じました。
Te Reo (マオリ語)は、英語とニュージーランド手話とともに、ニュージーランドの公用語のひとつになっています。マオリ語を必修にするべきかどうかは、賛否が分かれているそうです。しかし、野蛮だと考えられて侵略されてしまった悲しい過去がありますが、マオリ語やマオリ文化を美しいと考え、取り入れたり守っていったりしようという動きがあるのはいいですね。
文・まなびカフェブロガー 瑪娜(マナ)さん
◆各ブロガーさんのプロフィールはこちら
http://raipinews.seesaa.net/article/455139195.html
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2018年11月22日(木曜日)19時から20時30分
おしゃべりカフェ「不妊のこと」
不妊で悩んでいる夫婦は6組に1組とも言われていますが、とてもデリケートで話題にするのは難しいテーマです。
「友人や家族との関係」「夫婦のこと」「治療について」など同じテーマに関心のある方の中で話してみませんか?
※ファシリテーターが場を進行します。
※ご自身やご家族の方で不妊について考えたい方ならどなたでも
※会場の出入り口をクローズにした、安心してご参加いただける場です。
場所:らいとぴあ21 1階展示コーナー
ゲスト:内山三重子さん(タッチカウンセラー・保育士)
企画:女性の多様なライフワーク研究会
定員:10名
◆らいとぴあ21「まなびカフェ」とは?
世の中のいろいろや最近ちょっと気になることを、少人数制でアットホームにまなび、考える「まなびカフェ」。各回の素敵なゲストの話を聞いて、みんなでわいわい意見をかわすといつも見ている世界が少し違って見えるかもしれません。普段は逢えないいろんな人、いろんな世界をのぞくことで、インターネットやテレビ、新聞などでは味わえない生きた”まなび”を楽しむ場です。スケジュールや各回詳細はまなびカフェイベントページ(Facebook)や、らいとぴあ21のブログに掲載のチラシPDFデータをご覧ください。
◆これまでのまなびカフェのレポートなどはこちら(らいとぴあ21ブログ)
http://raipinews.seesaa.net/category/23991971-1.html