2018年10月25日(木曜日)まなびカフェ
書家の華雪さんに学ぶ!書で体感、文字の魅力(第3回)
ゲスト:華雪さん(書家)
シリーズ3回目となった今回は、「身体」にまつわる8つの漢字について学びました。
前2回で、漢字の元となる甲骨文字の成り立ちや、漢字を生み出した当時の中国の人々と自然との関わりなどについてのお話でした。
古代中国では、人は自然の一部であり、圧倒的な力を持つ自然は神でした。
それを踏まえて身体を表す漢字を見ると、その成り立ちには、やはり超自然との関りを無視できないことに気づきます。
【目】と【耳】は、人の眼・耳の形を模した甲骨文字が起源。
しかしいずれも、人の眼、耳の意味以上に、「目」には大局や未来を見通す能力の意味、
「耳」には人とは異なるなにかが聞こえる能力の意味を表しているそう。
じゃあ、【口】も形そのものだろうと思いきや、なんとこれは祝詞をおさめる器の形、つまり箱を表しているそうです。
儀礼が盛んにおこなわれた時代背景から、神に豊穣を願ったり、誓いを立てたりする儀礼にまつわる言葉としてこの文字が生まれました。
【足】にも口がついているように見えますが、足の上の口の部分は、膝関節を模しています。
口より下の部分は、足跡を表しており、膝から下の脚部を具象化したのがこの漢字だと理解できます。
【手】は、5本の指を開いた手そのもの。3300年前に中国で生まれた漢字の中で、手にまつわる文字は非常に多いそうです。
なぜでしょうね。
ちなみに、手が口(祝詞を入れる箱)を持てば【右】に、工(祝詞をのせる台)を持てば【左】を表します。
左右の文字は、「〇〇たれ」かと思っていましたが、実は、口(くちへん)と工(たくみへん)に分類されており、驚きました。
次に【鼻】ですが、鼻の漢字とはもとは【自】だそうです。
鼻そのものを模した甲骨文字が徐々に単純化されこのような形になりました。
では【鼻】はというと、【自】に、鼻息を表す文字(擬声音)を組み合わせているそうです。
そういわれると、「廾」の部分が、スースーって音に見えてくるような…。
それから、【心】。
これは心臓をかたどった甲骨文字が起源。
感情を生み出す場所である「こころ」が脳ではなく心臓であると考えたのは、生命の根源が心臓だとわかっていたということです。
最後に【顔】の漢字ですが、この文字は甲骨文字にはなく、起源がはっきりしないそうです。
「彦」は、一定の年齢に達した男子の通過儀礼として、額に魔よけの文字や文様を朱で印した姿、
「頁」は、人の頭部を強調した形を表しており、顔が整っていて美しいという意味あいでつかわれていたようです。
お話の後は、筆を使って、漢字一文字を書いてみます。
目を書くなら、どんな目なんだろう、手を書くなら、何をしている手だろう、と想像しながら書きます。
参加者の中には、複数の漢字を組み合わせて半紙に顔を描いた人もいました。
私は、【聴く】という漢字が、【聞く】とは異なり、耳と目、心もあわせてきくことを表していると知り、
【聴く】をおろそかにしている日常を反省しながら書きました。
みなさんもそんな風に漢字を通して自分の感覚と向き合ってみませんか?
華雪さんのワークショップ最終回は2019年1月24日です!
文・まなびカフェブロガー Nさん
◆各ブロガーさんのプロフィーはこちら
2018年11月8日(木曜日)午後6時半から8時
【出張ダイバーシティカフェ ニュージーランドの教育について】
長年、ニュージーランドの幼稚園では働き、この夏からJETプログラムで来日され、止々呂美の森学園で勤務しているミシェルさん。ニュージーランドの幼児教育から大学の高等教育のこと。また、日本の教育とニュージーランドの教育との違いや日本の教育のユニークさなどを、様々な角度からお話ししていただきます。
ダイバーシティカフェとは・・・(公財)箕面市国際交流協会の企画で、箕面市立小中学校のALTの先生をゲストに迎え、箕面市他文化交流センターで月1回行われている。
場所:らいとぴあ21 1階展示コーナー
ゲスト:ミシェル・ギブソンさん
日本語補助・進行:鳥羽山良平さん
◆らいとぴあ21「まなびカフェ」とは?
世の中のいろいろや最近ちょっと気になることを、少人数制でアットホームにまなび、考える「まなびカフェ」。各回の素敵なゲストの話を聞いて、みんなでわいわい意見をかわすといつも見ている世界が少し違って見えるかもしれません。普段は逢えないいろんな人、いろんな世界をのぞくことで、インターネットやテレビ、新聞などでは味わえない生きた”まなび”を楽しむ場です。スケジュールや各回詳細はまなびカフェイベントページ(Facebook)や、らいとぴあ21のブログに掲載のチラシPDFデータをご覧ください。