〈報告〉4月19日まなびカフェ「出張!ダイバーシティカフェ〜多様性について考えよう〜 ニュージーランドの教育のおはなし」

4月19日(木曜日)まなびカフェ「出張!ダイバーシティカフェ〜多様性について考えよう〜 ニュージーランドの教育のおはなし」
ゲスト:エイプリル・スルイさん(箕面市立彩都の丘学園ALT(英語指導助手)

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小野原にある箕面市国際交流協会(MAFGA)で毎月催されている『ダイバーシティカフェ〜多様性について考えよう〜』。それは、箕面市内の公立小中学校に勤務する、ALT(英語指導助手)のみなさんからその多様なバックグラウンドについて話を聞くという企画です。この日は、らいとぴあ21の『まなびカフェ』の枠組みの中で出張イベントという形で開催されました。

さて、419日木曜日の主役はニュージーランド(以下NZ)出身のエイプリル・スルイさん。箕面市彩都の丘学園でALTとして1年半前から勤務しています。

テーマは“Growing up Pacific Islander in NZ(太平洋諸国の人としてNZで育つこと)”。

サモア語の挨拶から始まり、サモアで生まれ育ったご両親のこと、NZで生まれ育った自身の経験、将来の夢などのお話を聞かせてもらいました。

(以下内容、青色部分は私の感じたことです。)

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<サモアで生まれ育った両親のこと>

モノカルチャー(単一作物経済)が主流で発展途上のサモアでは、子どもは労働力として見られることが多く、家庭内における教育への投資は二の次という雰囲気があるといいます。その中でも祖父母(母方父方ともに)は、「豊かな人生を送るためには教育が鍵」だと気づいていたようです。エイプリルさんの両親が大学で教育を受けるため、豊かになる機会の多いNZに渡ったのは1980年のことでした。

NZで生まれ育った自身の経験>

エイプリルさんは5人姉妹。全員がNZ生まれで第一言語は英語です。サモア語は簡単なものなら話すことができます。

通った高校は白人生徒が多数でしたが、先住民のマオリを支援する委員会が在学中に組織されました。しかしそれは、マオリ以外の太平洋諸国の民族性を持つ人たちは対象としていない委員会だったそうです。エイプリルさんはそこに参加し働きかけを行った結果、彼女の妹がその高校に通う頃にはマオリだけでなく、他の太平洋諸国の民族性を持つ人も対象にした委員会にかわりました。

「少数派の中でも声の大きい多数派」「少数派の中でさらに不可視化されがちな少数派」、これらの構図は日本社会にもあふれています。傍によけられた人、周縁化されている人が常にいるという事実に思いを馳せずにはいられませんでした。

エイプリルさんがNZで出会った太平洋諸国民族の人の中には、サモアで生まれ育った生徒もいましたが、サモアの伝統的考え方を持つ彼女ら彼らとは深い部分では繋がることが難しかったと言います。サモアで生まれ育った側からするとエイプリルさんはNZ人だと認識されていたからです。

また、「サモア人なのになぜサモア語を話せないの?」と姉が友人に聞かれたこともあるそうです。その友人からは、エイプリルさんたちはサモア人だと思われたからでした。サモア人からはNZ人として、またNZ人からはサモア人として思われる。両者の狭間にいる感覚を経験したと言います。

人は自分のアイデンティティ性を守るためグループ分けをするのかもしれません。自分が「どこかに所属している」という安心感を持つためには、「自分たち以外」という他者の存在が必要です。自分と他者に明確な違いがある場合、グループ分けはスムーズですが、いつもそうとは限りません。人は性格もバックグラウンドもその他の要素も多種多様です。白か黒かではありません。その間だったり赤だったり紫だったりマーブルだったりその全てだったりするかもしれません。エイプリルさんはNZ人か太平洋諸国の人なのか、ではなくその両方なのだと思いました。

<将来の夢>

NZの初等教育制度の方針は、発展分野と口筆述の能力分野に大きく分かれています。発展分野はさらに、根気(Perseverance)、好奇心(Curiosity)、批判的思考(Critical thinking)、自信(Confidence)に分かれているそうで、これはエイプリルさんが受けた教育でもあります。

また、日本の公教育の現場にいる中で気づいたことがあるそうです。それは、「“教育は大事だ”という環境に幼い頃から身を置くこと」の重要性です。将来はNZで太平洋諸国の民族性を持つ子どもたちの教育に携わりたいと思っているそうです。

エイプリルさんの民族的背景、NZで教育を受けたこと、日本で仕事をしていること、その全てがいまのエイプリルさんを作っているということがよくわかりました。

話を聞いて改めて、「外国の人だから多様性がある」のではなく、その人たちを含むわたしたちがすでに大きな枠組みでの多様性を形成しているのだなと感じました。わたしたちが多様性を形作る要素であり、そして多様性はわたしたち個々人の中にも存在するものだ、ということも忘れずにいたいです。   

ブロガー:よりーさん
まなびカフェブロガーさん紹介ページ:http://raipinews.seesaa.net/article/455139195.html


次回のまなびカフェはこちら

5月10日(木)18:30〜20:00
【出張!ダイバーシティカフェ】〜多様性について考えよう〜
わたしが受けたアメリカの教育のこと
ゲスト:エミリー・ライオンスさん(箕面市立第2中学校ALT(英語指導助手)

アメリカ国内でも有数の都市、イリノイ州シカゴ出身のエミリー先生が母国で今までどのような教育を受けて来たのか。
また日本の学校で働いてみて、日本の教育のことをどう思っているのか、率直な思いを語っていただきます。