<報告>『連続セミナー企画 差別するこころを科学する』第1回目

連続セミナー企画『差別するこころを科学する』の第1回目が11月12日に無事終わりました。
なんと、65名の方に参加して頂きました。ありがとうございました。

第1回目は大阪市立大の池上知子さんをお招きして「なぜ人はひとを差別するのか」をテーマにお話をして頂きました。
社会心理学の観点から差別する構造やステレオタイプや偏見が無意識のうちに形成されていることを分かりやすく説明していただきました。
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お話しの中で出てきた「ドクタースミス問題」というクイズでは、「当たり前の答え」があるのに、無意識のうちに様々な情報を得ていることが原因で「当たり前」にたどり着けず、偏見へと変わってしまっていることを実感した人は多かったのではないでしょうか。
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また、同じ失敗や犯罪をしても「マジョリティよりマイノリティが目立つのはそもそもの数が少ないからだ」というのも様々な研究結果を元に分かり易く説明をしてもらい「なるほどなぁ」と納得された方もいました。

今回のセミナーの中で「潜在連合テスト」を参加者全員でやりました。
潜在連合テストとは、様々な社会的対象に対する潜在的態度を測定することができるもので、今回は男女に対する潜在的態度を測定してもらいました。
結果に対しては、それぞれ思うところありましたが、自分の中にある男女に対するすり込まれたイメージを知る機会になったのではないかと思います。
 
アンケートには、「無意識のことを意識することの難しさ、意識した上でそれを受け入れることの難しさを感じた」と言う意見や「無意識の中でステレオタイプが形成されしまうことが正直怖い、少し絶望的な想いがした」などの感想と次回以降に「どのように抵抗していくのか、どのような手立てがあるのか」
を楽しみにしているとの意見もありました。

次回は11月23日(祝日・木曜日)午後1時半から4時、らいとぴあ21の3階視聴覚室です。

テーマは「差別する感情と意識を解剖する」です。
池上知子さんをコーディネーターとしてお招きし、性的マイノリティーへの否定的態度についての研究をしている大阪市立大学大学院生・研究員2名と大阪大学大学院で「部落出身者のアイデンティティがどのように形成されるのか?」をテーマに研究している方の3名からそれぞれの視点で研究発表をしてもらい、その後パネルディスカッションという流れになっています。

それぞれの研究の中から見えてきた感情や意識を話し合うことで「解剖」されていくのではないかと思います。
今から楽しみです。
(担当:丸岡)