今日もまた迷える相談者が訪れた。
犬である。なんと1匹の大型犬が自動ドアを通過して館内に入ってきたのであった。
職員に緊張が走る。近頃では珍しい野良犬だろうか。
何か相談事でもあるのだろうか?
近づくと逃げも吠えもせず愛嬌を振りまきしっぽを振っている。人懐こい性格のようだ。
振っているしっぽが当たって痛い。
確認すると散歩用のハーネスがつけてあり、首輪の跡が残っていたため飼い犬であると判明した。おそらく散歩中かなにかで逃げ出したのだろう。
とりあえず歩き回らないようらいとぴあの入り口に連れていくが、素直についてくる。
賢い犬だ。飼い主によくしつけられているのだろう。
振っているしっぽが当たって痛い。
飼い主を見つけるため職員は犬に関する地域の情報を収集したが、決定的なものがないため仕方なく警察に連絡することとなった。数十分後駆けつけた警察官に状況を説明し、警察署で保護することになった。パトカーを待つ間も人懐っこく愛嬌を振りまく珍客に職員はじめらいとぴあ利用者にも気持ちがなごむ時間が流れた。
パトカーを待っている間も飼い主の情報がなく警察署に連れていかれ衝撃と困惑と癒しに満ちた数時間が終了した。
警察官によると法律では今回のように保護したペットでも落とし物と同じで拾得物となり期間内に飼い主が現れない場合は拾得者が保護するか保健所に連れていかれるという。
家族の一員とされているペットでも法律では物と同じ扱いという現実を垣間見る瞬間であった。
飼い主は見つかるのだろうか…
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先日の騒動から2日後警察より、警察署で保護された日に飼い主が引き取りに来たとの通達が届き、職員一同安堵の胸を下した。知らないところで1人ぼっちで過ごさずよかった。
今は飼い主と一緒に楽しく過ごしていることだろう。
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生活総合相談窓口らいとぴあ21
悩める現代人に相談窓口として開設されている地域のよりどころ。
これからは法律にはない動物にも相談に応じる窓口にならなければならない。
(記:らいとぴあの守り人あきらーまん)