ちらし入荷しました(森達也監督15年ぶりドキュメンタリー)

地下鉄サリン事件その後のオウム真理教を追っドキュメンタリー映画「A」「A2」(書籍としては「A3」も出版されている)の監督でもある森達也さんの、15年ぶりの新作ドキュメンタリーのちらしが入ってきました。(左の「さとにきたらええやん」もおすすめです。)

●森達也さんプロフィール
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「A」と「A2」を見た時は(評判になってからだいぶ後だったが・・・)、それまでニュースの中の「怖いオウム真理教」だった信者の人たちが、個々の人間として浮かび上がってくるような感覚で、そのカメラの捉え方にぐっと心を掴まれた。
この人すごいなぁ。面白いなぁ。
(*「A2」は山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞しています。)

とにかくたくさんの執筆活動もしている森さんですが、ドキュメンタリー映像作品は15年ぶり。
待望の新作は、ゴーストライター騒動でメディアにひっきりなしに登場していた佐村河内守氏の密着取材を経て完成した『FAKE』。

自分たちが日々メディアや人の噂を通じて見たつもり・知っているつもりになっているもの・人・こと。
それとは違う、それらの別の側面・個々の人格。

SNSで流れる溢れるような情報に「ふぅ・・・」と一息つきたい方。
TVで流れるニュースが、なんか身に迫ってこないな。という方。
ひとつの物事をいろんな角度から見てみたい方。
(それに、作曲家の生活を覗いてみたい方・・も?)

ぜひ劇場へ見に行きませんか。
6月11日(土) 劇場公開初日には、監督のトークショーもあるようです。
場所:十三・第七藝術劇場
12:45~ トークショー
14:45~ 舞台挨拶

・・・・・以下、『FAKE』HPより引用・・・・・

【森達也さんのコメント】

肩書の一つは映画監督だけど、4人の監督の共作である『311』を別にすれば、本作『FAKE』は15年ぶりの新作ということになります。「下山事件」に「中森明菜」、「今上天皇」に「東京電力」など、撮りかけたことは何度かあったけれど、結局は持続できなかった。
でも今年、やっと形にすることができました。映画で大切なことは普遍性。入口はゴーストライター騒動だけど、出口はきっと違います。誰が佐村河内守を造形したのか。誰が嘘をついているのか。真実とは何か。虚偽とは何か。そもそも映画(森達也)は信じられるのか……。
視点や解釈は無数です。絶対に一つではない。僕の視点と解釈は存在するけれど、結局は観たあなたのものです。でもひとつだけ思ってほしい。様々な解釈と視点があるからこそ、この世界は自由で豊かで素晴らしいのだと。
僕がドキュメンタリーを撮る理由は何か。もちろん一つではないけれど、最終的には「見て見て!こんなのできたよ!」です。すべての人に「見て見て!」とお願いしたい作品になりました。

【佐村河内氏をめぐるゴーストライター騒動】

聴覚障害をもちながら、「鬼武者」などのゲーム音楽や『交響曲第1番《HIROSHIMA》』を発表し、「現代のベートーベン」とまで称賛された佐 村河内守氏。しかし「週刊文春」で音楽家の新垣隆氏が佐村河内氏との関係を告白、掲載翌日の会見で佐村河内氏のゴーストライターとして18年間にわたり作 曲をしていたこと、佐村河内氏が楽譜を書けないこと、耳は聞こえており、通常の会話でやり取りしていたと語った。いっぽう、佐村河内氏は、主要な楽曲が自 身だけの作曲ではないことについては代理人を通じて公表し、後の会見でゴーストライター騒動を謝罪した。しかし、新垣氏に対しては名誉棄損で訴える可能性 があると語った。そして、その後はメディア出演を断り、沈黙を続けている。