「タイムトラベルは可能か?」「可能です」
12月1日の大学部の授業は、大阪大学核物理研究センターのセンター長、中野貴志先生による、物理学から考えるタイムトラベルのお話でした。
いきなり結論から書いてしまいましたが、授業では「可能だ」という結論に至るまでを難しい計算式を使わずに、グラフの作図によって、目で見てわかる結果として解説していただきました。
それでも先生の解説の通り時間が縦軸、空間が横軸、光の速さを1として方眼紙にグラフを書いていくと、タイムトラベルを物理学で解説する際に必ず出てくる「時間の進み方は観測者によって違う」というアインシュタインの特殊相対性理論を証明するグラフができました…。
東京―大阪間ほどの長さがある列車の中間から先頭と最後尾に同時に光を放つと、先頭と最後尾に光が届くのは同時です。
この列車が走行中に同じことをすると、列車の中から見れば光は同時に先頭と最後尾につきますが、列車の外側から見ると光は同時には届きません。…
言葉で説明されてもさっぱりですが、これをグラフにすると確かに動いている列車の中と外では同時は同時ではないことが見えます。
つまり、動いている方は時間の流れを感じにくく、静止している方は時間の流れを感じやすい、という解釈でいいのでしょうか。
動いている方の速さが光速に近づくほど、静止している側との時間の差は大きくなり、光速の99%の速度でその差は7倍になるそうです。
光に近い速さで移動できる宇宙船に乗って宇宙を3年ほど旅して帰ってくると地球では20年の時が過ぎているということになり、未来へタイムトラベルをしたということになります。
光の速さを超えた超光速は理論的には可能なようですが、瞬間移動という現象は現在までに観測されたことがないため、過去へのタイムトラベルはできないようです。
ということで、結論:未来へのタイムトラベルは可能…ということになりました。
今回の授業、内容が理解できたかと聞かれれば首を横に振るしかなく、質問する受講生に「質問できるなんてすごい…」と感心するしかできなかったのですが、「同時は同時じゃない」というのはグラフの作図を見て確かめることができました。
あとは易しい解説書でも探してゆっくり噛み砕いていこうと思います。噛み砕ければですが…。
「Imagination is more important than knowledge(想像力は知識より重要)」
これは中野先生が紹介していたアインシュタインの言葉ですが、想像力を1つの原動力に自然界の謎を解き明かす物理の世界って、実はロマンあふれる学問なのかなぁ…と思いました。
物理は難しいという印象は変わりませんでしたが、わからないことの輪郭が見えてくるような感覚は体験することができたかなと思います。凝り固まった脳みそに強烈なタイ式マッサージを施されたような授業でした…。
(レポート:受講生モト)
(レポート:受講生モト)
モトさんのレポートからもにじみ出ていますが、今回の大学部は先生が普段教えておられる阪大物理学部の学生さんでも「半分は理解してないくらいのこと」というだけあって、ちょっとハイレベル。
でも、普段全く触れることのない物理の世界に踏み込んで、ちょっと物理学部の大学生気分を味わえたような1時間でした。
スタッフPも参加しましたが頭の中にハテナがたくさん!
先生に終わってからもたくさん質問をされて理解されている方もいて、みなさんの意外な一面に触れられた日でもありました。
さて次回の大学部は!
12月12日土曜日 10時~12時
『いろいろは』
~色の不思議とコーディネートについて。自分に似合う色や色の持つイメージなど~
講師:森友令子さん(大阪国際大学グローバルビジネス学科)
就職活動や面接や・・色んな場面でのセルフプロデュースにも役立ちそうです!
1限目の美術と併せてぜひお楽しみに。
美術の内容は「抽象画を楽しむ・・・」です。