2015年度第2期夜間学校、大学部の第2回目は「もうひとつのイスラーム」。
箕面市立多文化交流センターの館長、岩城あすか先生が5000年近い中東・イスラームの歴史と現状を駆け足で解説してくれました。
近年、中東の宗教対立・民族対立によるテロや紛争に関する報道は後を絶ちません。中東から遠く離れた日本でも最早他人事ではなく、ISによる日本人ジャーナリスト殺害事件や、最近では東京のトルコ大使館周辺でトルコ人とクルド人の乱闘でけが人が出るという騒ぎもありました。なぜ中東では宗教対立や民族対立が起こるのか、イスラム教と中東という、宗教と土地の歴史を共に辿ることで、その土地の混沌とした状況を知ることができました。
まずイスラム教について。
近年、中東の宗教対立・民族対立によるテロや紛争に関する報道は後を絶ちません。中東から遠く離れた日本でも最早他人事ではなく、ISによる日本人ジャーナリスト殺害事件や、最近では東京のトルコ大使館周辺でトルコ人とクルド人の乱闘でけが人が出るという騒ぎもありました。なぜ中東では宗教対立や民族対立が起こるのか、イスラム教と中東という、宗教と土地の歴史を共に辿ることで、その土地の混沌とした状況を知ることができました。
まずイスラム教について。
イスラム教はユダヤ教・キリスト教と根っこを同じくする宗教で、唯一神アッラーを信じています。信者は皆平等で聖職者はいません。戒律を厳しく守り、偶像崇拝を禁じています。6信5行というイスラム教徒の資格のようなものがあり、
●6信
・アッラーを信じること
・天使(マラーイカ)の存在を信じること
・啓典(キターブ)の内容が全て正しいと信じること
・ムハンマドを含めた全ての預言者を信じること
・最後の審判の後の天国の到来を信じること
・運命(カダル)を信じること
●5行
・信仰告白(シャハーダ)…「アッラーフの他に神は無い。ムハンマドは神の使徒である。」と証言すること
・礼拝(サラート)…1日5回お祈りをすること
・喜捨(ザカート)…貧しい人に施しをすること
・断食(サウム)…ラマダン月の日中は飲食をしないこと
・巡礼(ハッジ)…一生に一度はメッカに巡礼すること
と いうのを信者は忠実に実行していますが、宗派によっては戒律がゆるいところもあるようです。
●6信
・アッラーを信じること
・天使(マラーイカ)の存在を信じること
・啓典(キターブ)の内容が全て正しいと信じること
・ムハンマドを含めた全ての預言者を信じること
・最後の審判の後の天国の到来を信じること
・運命(カダル)を信じること
●5行
・信仰告白(シャハーダ)…「アッラーフの他に神は無い。ムハンマドは神の使徒である。」と証言すること
・礼拝(サラート)…1日5回お祈りをすること
・喜捨(ザカート)…貧しい人に施しをすること
・断食(サウム)…ラマダン月の日中は飲食をしないこと
・巡礼(ハッジ)…一生に一度はメッカに巡礼すること
と いうのを信者は忠実に実行していますが、宗派によっては戒律がゆるいところもあるようです。
他にも食べてはいけないものがあったり、一夫多妻制だけど奥さんを平等に大切にできないなら一人にしときなさいという決まりがあったり、結婚するときには離婚時に新郎が新婦に支払う契約金の決まりがあったりします。
死後天国に行けるかどうかは生前にどれだけ「善い行いをしたか」にかかっていて、旅人をもてなしたりラマダン中に施しをしたりと、色々な条件があるようです。
次に中東という地域の特徴について解説してもらいました。
次に中東という地域の特徴について解説してもらいました。
中東には5000年も前から都市文明があり、農耕・アルファベット・一神教などのイノベーションが起こる場所でした。しかし安定して国家が築かれるということがなく、常に分裂していて、他の地域からの支配にさらされていました。周辺諸文明の影響を受け、モノと人との交流点になっていて、宗教・言語が多様で様々な民族がいます。
地球規模で仲間を作るのが上手で、情報収集に長け ていますが、ライバルは状況によってコロコロ変わるようです。油田やガス田があるためエネルギー資源の争奪戦や宗教・民族対立による紛争が頻繁に起こる地域でもあります。
中でもパレスチナとクルディスタンは特にひどく、イスラエル人によるパレスチナ人に対するヘイトスピーチやヘイトクライム、民家への放火や毒薬を使った農地汚染などは後を絶たちません。
中でもパレスチナとクルディスタンは特にひどく、イスラエル人によるパレスチナ人に対するヘイトスピーチやヘイトクライム、民家への放火や毒薬を使った農地汚染などは後を絶たちません。
国家を持たない世界有数の民族でありながらすべての国でマイノリティであるクルド人には、イスラームが異端扱いするアレウィー派やヤズィーディー教の信者が多く、迫害や虐殺の対象になっています。
シリアではアサド政権と反政府勢力が争う中ISが台頭し、中東だけでなく世界各地でテロを起こし、一般市民にも多くの犠牲者が出ています。ISのメンバーの中にはヨーロッパのイスラム系移民たちが加わっていて、岩城先生は何世代にもわたって迫害を受けてきた彼らの鬱屈とした感情の行き着く先に過激派組織があるのではと仰っていました。
私は過去にイスラム教について優しく解説された本を読んでいたこともあって、過激派に代表されるような危険な宗教ではないという認識はありましたが、それでも中東の歴史や現状を含め、知らないことがまだまだ沢山あることを知りました。
私は過去にイスラム教について優しく解説された本を読んでいたこともあって、過激派に代表されるような危険な宗教ではないという認識はありましたが、それでも中東の歴史や現状を含め、知らないことがまだまだ沢山あることを知りました。
先生がちらっとお話しされた日本の中にもある民族差別の例で「沖縄の人が本土の人に感じる違和感」についても私は考えたこともなかったのでびっくりしました。
岩城先生も「恐がらずに、まず知ろうとしてほしい」と仰っていましたが、「知らない」ということが一層の恐怖を煽っているし、「知らない」ことで自分が無意識に差別をしているのかもしれないと思うと、そちらのほうが恐いことだと感じました。
今回の授業では自分の無知を思い知らされましたが、自分が「知らない」ということを「知る」ことができた良い機会になりました。
(レポート:受講生モト)
(レポート:受講生モト)