6/20らいとぴあ夜間学校『コンドームは世界を救う?!』

らいとぴあ夜間学校、大学部の第3回目は「コンドームは世界を救う!? ~エイズってアフリカのもの? 他人ごと?~」。
タイトルを見たときはちょっとびっくりしましたが、授業が終わるころには「コンドームまじ、リスペクトっす!」の思いでいっぱいになりました。
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授業冒頭スワヒリ語で挨拶をした清水美春先生は、青年海外協力隊でケニアに派遣され、HIV・エイズの予防対策に携わっていたそうです。
ケニア…と聞いて私が思い浮かべたのはサバンナの動物や乾燥した大地、民族衣装をまとった部族。
けれど先生が見せてくれたケニアの写真には雪山やビーチ、きらびやかな照明で盛り上がるライブ会場、高層ビルが立ち並ぶ都市部の街並みがありました。

私のイメージより発展しているケニアですが、一方で東京ドーム80個分のスラム街を持つ経済格差の激しい国でもあります。
先生が派遣された小児病棟では泣き声を上げる体力すらないほど衰弱した子どもたちがたくさんいるにも関わらず、医師や看護師たちの賃上げストライキで業務が停止し、転院できない子どもたちが亡くなっていく…そんなことが2年の間に3回ほどあったそうです。

そんな子どもたちの死因の1つにもなっているエイズ。HIV(ヒト免疫不全ウィルス)に感染し、2年~10年で免疫システムが機能しなくなり様々な病気に罹りやすくなった状態を後天性免疫不全症候群:エイズと言います。エイズ発症前であれば、薬でウイルスのコントロールができるので日常生活を送ることもできるそうです。
HIVは血液・母乳・精液・膣分泌液に多く含まれていて、それらが粘膜や傷口に接触することで感染します。性交渉・輸血・母子感染が主な経路です。ケニアのHIV感染率は7.4%以上。性感染が主な感染源になっていて、10代の子どもにも感染者が多く、コンドームを用いた予防対策や交際相手との交渉術の指導も学校で行われているそうです。

ケニアの病院や公共施設にも無料のコンドームが置かれていてあっという間になくなるのだとか。
ですが無料じゃなければ使わないという人も多く、先生が任期中に訪れた売春宿ではコンドームの使用を前提にすると買い手が付かないという理由で使用を拒否する女性も多かったそうです。
ケニアでは50円あれば3日間は食べられるといいます。売春で稼げるお金は1回で50円から5000円。女性の雇用が少ないケニアではHIVに感染するリスクよりも、今日1日を生き延びる稼ぎの方が大切…その事実に、貧困がもたらす悪循環を考えました。

授業の最後にちょっとしたゲームをしました。1人ずつ水の入った紙コップを持って先生の声がかかるまで部屋をうろうろします。
「ストップ」と声がかかったら近くにいる人とジャンケンをして、勝った人の水を負けた人のコップに移し、その水の半分を勝った人のコップに戻します。
それを4回ほど繰り返した後、先生が1人1人のコップに薬剤を差していくと…受講者のほとんどの水が真っ赤に染まりました!
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これは「HIV感染どんどん拡がるゲーム」。
コップの中身は水酸化ナトリウムで、色もにおいもありません。これをHIVに見立てて感染していく様子を疑似体験するゲームだったのです。

原液は先生が持っていたコップ。
ここからゲームの説明に協力した受講生→その方とジャンケンをした人→またその次…と、最終的にほとんどの受講生のコップに広がっていきました。私のコップも真っ赤に染まりました。
これを実際の性交渉に置き換えて考えると、はじめの先生と受講生の接触の段階でコンドームを使ってしっかりガードしていれば、HIVに限らず性病などの感染拡大は止められます。
自分がガードしていれば、移ることも人に移すことも防ぐことができるのです。
これを学生たちとやると、最初はピンと来ていなかった学生も、授業の終わりには「コンドームすげぇぇ!」と感動してくれるのだとか(笑)。

セックスはコミュニケーションの1つ。
好きな人に触れること、触れてもらうこと。人を愛する行為が自分や相手の命を危険に晒すことになってしまわないように。
日本でもHIV感染者が増えている今、恋人・友人・家族でセックスについて、性感染予防について、大っぴらに話し合っても良いのではないか…先生にもらったコンドームを見つめながらそう思いました。

(レポート:受講生モト)