らいとぴあ夜間学校『シジミの生態学と経済学』2/19

2/19(木)「らいとぴあ夜間学校」レポート

◉1限(中学部)『数学』
講師:中川禎之先生(箕面市立第二中学校)

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数学なんて数字をみるだけで嫌!という人でも楽しく学び直せるように…という思いで、第二中学校の中川先生に授業をしていただきました。今日のテーマは『いろんな数に興味をもとう』でした。

例えばこんな問題!
「1秒間毎に倍増する微生物を箱に1つ入れると、ちょうど30分後に箱がいっぱいになった。箱の半分になったのは、何分後(何分何秒)でしょう?」

式をたてよう…とするとちょっと難しいですが、やわらか〜い頭で考えればきっと解ける問題です。「あーっ!」と途中で気づいた方もいました。来週は「黄金比とシルバー比」についての授業だそうです。


◉2限(大学部)『シジミの生態学と経済学』 
講師:安木新一郎先生(大阪国際大学)

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 らいとぴあ夜間学校、大学部の第10回は時間割を見たときから気になっていた「シジミの生態学と経済学」。いったいシジミと経済にどんな繋がりがあるのか…しかも担当の安木先生のご専門はロシア経済…私の頭には?が飛び交うばかりでした。
 
 シジミといえば汁物の具ですが、最近ではシジミに多く含まれているオルニチンが健康に良いとしてサプリメントになったりしています。「朝の目覚めがいい!」というアレです。シジミを食用にするのは世界的に見て日本や韓国、台湾の人だけ。しかし韓国・台湾についてはかつて日本の植民地になったところにシジミ食文化が入ったのではないかと言われているそうなので、純粋にシジミ食文化を持っているのは日本人だけかもしれません。日本人には身近なシジミですが、近年日本で獲れるシジミの量は減少の一途を辿っているそうです。日本人の食用シジミの7割を占めるヤマトシジミ、琵琶湖にだけ生息していた幻のシジミ・セタシジミは水が綺麗で水温が低い環境でしか生息できないため、経済発展に伴う環境汚染や地球温暖化による水温の上昇で生息地を奪われました。あまり食用にならないマシジミも、今や絶滅の危機に瀕しています。そのため、今日本で消費されるシジミは外国産の輸入に頼っていて、中でもロシアで獲れる汽水産シジミが8割を占めるそうです。そのロシアでも周辺地域の工場化のため環境が悪化し獲れなくなるかもしれないのだとか。
 
 そんな絶滅の危機にある食用シジミに代わり、世界で幅を利かせているのがタイワンシジミです。このシジミは中国南部や台湾が原産で、両性具有で一個体でも繁殖ができ、農薬に強く糞尿にまみれた泥の中でもたくましく生き抜くため、1990年代以降、中国の改革開放に伴い世界各国で中国との交易が増えると船の重りとともに運ばれたタイワンシジミが、日本を始めアメリカやヨーロッパなど経済発展優先で汚染されてしまった環境の中で爆発的に繁殖し、どんどん版図を広げていったのです。
 
 世界各国で経済発展が進み環境が破壊され、地球温暖化で水温が上昇し生息地分布が変わる…シジミ一つを調べるだけで世界の様相が見えてくるなんて思いもしませんでした。シジミの輸入量の変化をグラフで見ただけでも、経済制裁で北朝鮮からの輸入が0になった代わりに中国からの輸入が増えたのは、北朝鮮産を中国産と偽って円を稼ごうとしているんじゃないか…なんて推測もあって面白かったです。安木先生は次々回の授業でも貨幣とタカラガイのお話しをしてくださる予定なので今から楽しみにしています。

(レポート:受講生モト)

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